2012年5月20日日曜日

BILL EVANS TRIO「Walts for Debby」

BILL EVANS TRIO「Walts for Debby」
1961年6月25日録音

わりと最近、廉価盤(1000円程度)として発売されたCD。
ビル・エバンス・トリオが「ヴィレッジ・ヴァンガード」で演奏したライブを収録した名盤中の名盤。
お客さんの話し声やカトラリーの音が時々聞こえ、その場の空気感まで感じることの出来る臨場感有る録音。

CD化された当初はレコードと同じ曲順に、その日の「昼の部」や「夜の部」で演奏された別テイクをボーナストラックとして4曲追加したパッケージ。
しかし今回の廉価盤は収録曲順が見直され、これまでボーナストラックとして最後に追加されていた4曲が、それぞれのオリジナル収録曲の次に入っていておもしろい。
リモコン操作無しに演奏の差を聴き比べられる好企画盤。

2012年5月12日土曜日

BLUE NOTE JAZZ Inspirationシリーズ「MICHEL PETRUCCIANI」

 BLUE NOTE JAZZ Inspirationシリーズ「MICHEL PETRUCCIANI」
2012年

ジャズピアニスト、ミシェル・ペトルチアーニの編集盤。
オーディオファイルの紹介という前提を考えると、ベスト盤的なアイテムは何か理由がない限りここには登場しない訳ですが、このCDには非常に立派な理由が有ります。
ブルーノートの12曲入正規CDなのにナント700円前後です。
※タワレコでは600円台でした。
オフィシャルですのでもちろん良い音です。
しかもシリーズとしてリリースされていますので、第2弾、第3弾と更に続くと言うことです。

配信や第三メーカー廉価盤の影響とは言え「ついにここまで来たか」と複雑な心境にもなります。

因みにiTunesではアルバムダウンロード1500円です。

ダウンロードの半額以下で非圧縮の新品CDが買えます。
電車賃かけてでも、まとめ買いに行くべきかと。

2012年5月9日水曜日

Miles Davis「Kind of Blue」

Miles Davis「Kind of Blue」
オリジナル録音 1959年3月2日・4月22日
写真左  SME盤 1997年「Kind of Blue +1」 SRCS 9701
写真右 EU盤 2CD Not Now Music 2012年「Kind of Blue MONO AND STEREO VERSIONS」

今使用しているアンプを購入した時(2003年頃かな?)、「マイルスを聴かないと」と思い購入したモダンジャズアルバムの金字塔。
最初それほどピンと来なかったものの、時々聴いているうちに徐々に中毒症状が発症し、今ではすっかり魅力に取り憑かれてしまった。
年を追う毎に再生回数が増え、ここ3年は1週間に2回程度聴くペース。
つまり年に100回以上聴いていることになる。

現在2種類の「Kind of Blue」が手元にある。
1つは最初に購入し何百回も聴いたソニー(国内)盤「Kind of Blue +1」。
もう1つは昨日タワーレコードで購入した690円の廉価CD。
この廉価CDはナント「ステレオ盤」と「モノラル盤」の2枚組なので、正確には3枚の「Kind of Blue」が手元に有る。

ソニー盤の特徴は、DSDマスタリングの効果か各楽器の輪郭が明確になり高域から低域まで曖昧さが減りスッキリとした音場。演奏のリアルさを感じる。
加えてボーナストラックとして収められた「FLAMENCO SKETCHES (alternate take)」はアルバム全体との調和という意味では確かにボツテイクかも知れないが、生々しさとキレはアルバム収録テイクを上回り迫力を感じる。マイクセッティングの違いか?

一方廉価ステレオ盤は、重心が低く全体に密度の濃い音場。解像度云々より全体の雰囲気・空気感が気持ち良く音楽的。マッキンとJBLの組み合わせで聴いてみたくなる。
※廉価盤の為、怪し原盤かなとも疑いましたが、オリジナルマスターを使用している気がします。

「ソニー盤」「廉価盤」一長一短で甲乙付けがたい。
より高音質のブルー・スペックCDも発売されているので今度買ってみます。

因みに廉価モノラル盤は当方のシステムでは十分な魅力を感じる事はできませんでした。
超ド級のハイエンドシステムで再生すると、モノラル録音でも空間を感じ、特に奥行き感はステレオ以上とか。


2012年5月2日水曜日

D/Aコンバータ「TRIODE Luminous 1.0」

JAZZやヴォーカルものは、大抵このD/Aコンバータ「TRIODE Luminous 1.0」の真空管バッファで再生しています。
生産終了してから随分経つこの製品、実は良くも悪くも有名。

■良い点
・真空管バッファとMOS-FETバッファ、2系統の異なる出力回路を持つ為、1台で2種類の全く異なるサウンドを再生する。
・特に真空管バッファでの再生音には独特の艶と響きが加わり、またヴォーカルは1歩前で歌う様な中域にハリとナマナマしさを、また全身で感じる低域の押し出し感や弾力感を増す。←僕個人の見解でウチのシステムで使用した場合の感想です。
・茶漉しルックス←僕は好きなので「良い点」。

■悪い点
・真空管バッファ出力に設計か使用パーツに起因すると言われる不具合が有る(メーカーは正式には認めてないと思います)。

■ネット上で言われている(僕の個体でも症状が見られる)不具合の内容
(1)真空管バッファ出力での再生時、曲の冒頭部分のアタックが弱い(立ち上がりが途切れる)。
無音部分のミュート機能が悪く作用し、この現象を引き起こしていると言われています。
(2)真空管バッファ出力での低域の再生音に歪み。
真空管を変更してみたところ、球によっては全体像がスッキリし、コクが減り歪みが増す悪循環から、結局デフォルトのJJ球が良いと判断しています。

この様な症状のためネット上では「ゴミ扱い」の見解も散見されます。

ただ、この真空管バッファで再生する音に嵌ってしまうと、他の機種では物足りなく、しかし聴く度に「立ち上がりの音切れ」や「歪み」にジレンマを感じる如何ともし難い製品なのです。

sophie milman「sophie milman」


sophie milman「sophie milman」
2006年 ビクターエンタテインメント VICJ-61375

ロシア出身のジャズシンガー、ソフィー・ミルマンのデビューアルバム。
1曲目ジョビンの「Agua De Beber」の冒頭リズムセクションを聴いた瞬間、全身がフワッとした感覚に包まれ、スタイリッシュなアレンジに絡むソフィーの澄んだ、しかし決して痩せてはいない歌声に魅せられ、最後まで聴き入ってしまうアルバム。

Boz Scaggs 「but beautiful」

Boz Scaggs 「but beautiful」
2003年 ビクターエンタテインメント VICP-62407

ボズ・スキャッグスはこのアルバムしか持っていないので、僕の中ではボズはジャズシンガーです。
もちろん正統で一流の。

スタンダードで綴られた今作は、ジャズ界にどっぷりとは漬かっていないからこそ出来る選曲と表現かも。
シンプルな構成と編曲でとにかく「声」を聴かせる事に重点を置いている印象。
音場も非常に良く、立体感の有るリズムセクションが気持ち良い。
ボズの口の中の唾液の移動や喉元の歪みまで閉じ込められた妥協のないオーオタレベルの録音。

2012年4月30日月曜日

Everything But the Girl 「WALKING WONDED」

Everything But the Girl 「WALKING WONDED」
1996年 UK盤

ドラムンベースにトレイシー・ソーンのメロディアスなもの悲しいヴォーカルがしっとりと絡む。
エレクトリックなトラックにも拘わらず有機的な印象で、フューチャーJAZZヴォーカルアルバムとも言える傑作。
電子楽器特有の超低域と808系の軽いスネアのリズムセクションとの絡みもオーディオ的な聴き所。

オーディオファイルとして評価されていない気がしたのでご紹介しました。